さあ、2014年は何をしよう!?


 今年もカレンダーが最後の一枚となり、何かと気ぜわしい「師走」となりました。皆様の「今年」は如何だったでしょうか。

 最近、メディアでは景気回復が騒がれ、今月のボーナスやら来年の給料アップの話題やら、何かと景気の良い話題は取り沙汰されてはいますが、何となく実感が伴わない方が多いのではないでしょうか。その反面、物価は着実に上がってきているようで、それこそ生活必需品である食品、ティッシュなどは、すでに20%近い値上がりになっているとのこと。また先日は高速道路料金のETC割引削減の記事が新聞に載り、軽自動車の増税も検討されている様子です。金融関係や一部の大企業は円安、株高傾向で利益が出ているようですが、それもほとんどが外国での話しで、国内の雇用は大して改善しておらず、まだまだ景気回復が実感とはなっていない中で、着実に値上げと増税の波だけは近づいているようです。しかしながら、これらも考えようで、気分だけでも「何となく景気が良くなってきた!」と思うだけでも今までよりは前向きなのでしょう。

 このように、現実と実感がちぐはぐに感じる今年の流れですが、皆様は今年のキーワードを覚えていらっしゃるでしょうか。今年を象徴するキーワード、それは「混沌(カオス)」でした。カオスの語源はギリシャ神話における「新しいものが生まれるための元の場所」という意味です。まさに今年は「カオス」だと思います。気候にしても、世界的規模で異常気象が発生し、日本においても今まで経験をしたことのないような夏の暑さ、台風の進路やその激しさによる災害が相次ぎ、火山がいたるところで噴火し、年頭予測にもあったように各地で水害も発生しています。またシリア、イラン等アラブ諸国を筆頭に世界的な政治不安が続発し、中国やアジア諸国の著しい経済発展による世界戦略図の変化、日本に限っても隣国との政情不安など大きな変化が続々と押し寄せています。大きな変化であり、混沌でしょう。

 これらは「流れ」であり、必然なのかもしれません。しかし天災地変などとは別の側面である、政治的対立(大きな意味での人間関係)を見ると大きな問題が存在しています。それは人間の「意識」の問題です。

 よく使われる言葉に「創造的破壊」というものがあります。これは新しいものを生み出すために、あえて今までの古い価値観やしきたりを捨てるという意味で使われます。現在起きている「大きな変化」がこの言葉のような「明確な意思」に基づいて行われているかどうかが問題です。今の流れの中で一番怖いことは、意思によって行われるのではなく、「何となくそうなっている」ということ。これでは「新しい価値観が生まれてくる」どころではなく、風に流される凧のように、これからの人類は何処に行ってしまうかまったくわからなくなり、最悪、また戦争を引き起こすことになってしまうかもしれません。すべての事象を人間がコントロール出来るとは言いませんが、多くの事柄は「意識」によってかなりの部分がコントロール出来るのです。「自然現象は人間にはどうしようもないじゃないか!?」というご意見もあるかもしれません。最終的にはそうかもしれませんが、地球温暖化の問題やその他環境破壊など、人間が大自然に与えているダメージによって引き起こされる天災も少なからずあるでしょう。ましてや人間関係(政治的関係)などは人の考え方一つでどのような方向にも変わってゆくものなのです。根底に悪意があれば悪い方向に、価値観の違いを理解しようとすれば意見の相違も乗り越えることが出来ます。人間すべてが善意であるとも悪意であるともいえない以上は意見の相違を前提として、「駆逐」ではなく「和」を求める意識があればさまざまな手法が考えられるということです。さて現在、今年の混沌はこのような「意識」の上に成り立っている混沌なのでしょうか。我々人間は今年を締めくくるこの月に、是非このことを「意識」していただきたいと思います。

 変化が起こるときには二つの流れがあります。「意識して変化させようとして変化したとき」と「何となく変わってしまったとき」です。変化に対処する場合でも、当然前者の方が対処しやすでしょう。時の流れを読み、意識して物事を変えてゆくことが大切です。今年はまさに「流れが変わる」「新しいものが生まれる」きっかけとなる時期に入っています。つくづく思うことは、人間はやはりまだまだ物質的な価値観に思考の多くを占められているという事実です。不況の時代が長く続くと、どうやって儲けるかが重要になり、景気が良くなればなったでまたまたお金儲けで勝ち負けが決まる価値観がはびこっています。大自然を含め、時代が変化し始め、時代が変化を求めているのですから、我々人間も従来のように目先の利益で一喜一憂するのではなく、時代をよく見つめ、そして自分の意思を持って人類にとって良い方向とは何なのかを考えるときに入っています。この意識の変化が魂の次元上昇である「進化」の証なのです。これは決して大袈裟なことではなく、ごく単純に考えても、「社会は一人ひとりの人間から出来上がっている」という原理原則を見れば人類の未来も皆さんお一人の考え方次第だということが理解できるはずです。

 今年の「カオス」はどんな新しいものを生み出すのでしょうか。来年が楽しみです。

 皆様も是非、どんな未来にしてゆこうかという思いにふけっていただきたいと思います。意識をして日々を過ごしてゆきましょう。「さあ、来年は何をしよう!?」