宗教思想で戦争をするくらいなら、宇宙の価値観を学びましょう!

 ここのところの世界情勢は紛争の話題で一杯です。特に中東においてイスラム国の勢力が、アメリカを始め西欧諸国の空爆などの介入があるにも関わらず伸びてきているようです。単なる中東一部地域のテロ集団の規模をはるかに超え、拡大が続いているようです。
 今回の問題で特に懸念されるのは、その構成メンバーが狂信的なアラブ人だけでなく、世界全土に広がり始めた点でしょう。イギリス人のイスラム国への参加 は500人を超え、フランスでは既に700人余、アメリカから100人、遠くオーストラリアでも100人を超す参加者があるという情報も流れています。日 本も例外ではなく、北大生がイスラム国参加の目的でシリアへ向けて渡航を企てていたという衝撃的なニュースも耳新しいものです。また最近アメリカで発生し た警察官襲撃事件、カナダで起きた国会議事堂襲撃事件を両政府はイスラム国関連テロ事件と認定し、情報収拾と警戒を強めています。

 勢力を 全世界に伸ばすイスラム国ですが、そのPRは現代的です。ネットを駆使し、SNSやユーチューブなどに積極的に宣伝映像を流しています。ニュースなどでも 取り上げられている衝撃的な処刑映像だけでなく、その宗教思想やジハードの解説、活動・生活などをも数多く流しています。このような様々なプロモーション の効果か、世界各国の若者がイスラム国にシンパシー(共感)を抱き、既に30,000人を超える外国人が活動しているという報道もあります。
 何がそんなに若者を惹きつけるのでしょうか。世界の歴史分析に次のようなものがあります。「社会の構成員平均年齢が若いと、活気はあるが暴走しやすい」 というものです。日本でも社会の平均年齢の中心が25歳くらいであった'60年代に学生運動が最高潮となりました。アラブの春のきっかけとなったエジプト の政変。平均年齢は24歳です。今、話題になっている香港が30歳くらい。逆をいうと平均年齢が高いと「社会は安定するが活気がない」ということになりま す。現在の日本の平均年齢は45歳くらいですが、実権を握る高齢者人数が多いから社会はその層に優位に働きます。若者が不満を抱いたとしても人数は少ない し、政治は票になるところにサービスしますから、なかなか若者は変化を起こせません。これも問題ですが、イスラム圏では社会構成平均年齢は20歳と云われ ていますので、社会の中で最も人数が多いのが若者層ということになります。歴史的に見ても暴走しやすい環境の上に、経済発展は遅れていますので、若者の閉 塞感は日本の比ではないのです。高等教育を受けたとしても就職は大変厳しく、グローバル経済の弊害で企業の多くは外国資本となり、経済だけでなく、民族の アイデンティティーさえ失って行きます。そこに不満が溜まり、その不満に対して「宗教(この場合イスラム)を信じないから社会がだめになる」と洗脳される と、その過激派集団が正義に見えてくるという構図になっているのです。西欧諸国においても貧富の差が開いてくると、自国ではなかなか革命を起こすことが難 しい、自分の居場所はイスラム国だ!ということになり、多くの若者が挙って参加するという現状につながっているようです。そして日々の食料にも困るような 層だけでなく、何故比較的高学歴の外国の若者も過激派に参加するかといえば、実際は目の前の食事にも困るような人々は社会情勢を考えるどころではなく生活 に追われますが、高学歴であるにも関わらず社会に「居場所」がないと感じると必要以上に社会に反発を感じ、過激派に共感してしまうという分析があります。 確かに日本の学生運動過激派にも高学歴者が多かったし、社会問題化した宗教団体O真理教事件のときも高学歴者の参加が取り沙汰されました。そして最近の急 成長する新興宗教にも高学歴者が数多く居ることも同じような構図に感じられます。社会で「すべての平等」は成しえないことかも知れませんが、その構図を改 善して行こうという雰囲気が多ければ(強ければ)、そこに人は希望を見出し、閉塞感は軽減されるでしょう。「持てる者だけが持ち、富む者だけがさらに富 む」という現代は、世界が抱える改善すべき問題点です。しかしながら考えてみると、すべては地球上の狭い世界でのことです。人間は黙っていても100年も 経てば「必ず」死んでしまいます。食べる量も、使うお金も自ずと限度があります。どんなに権力を持っても、それに「価値が無い」と考える人にはまったく無 意味です。どうせ死ぬのに殺しあう。腐ってしまうものを貯めこむ。死んで持って行けないのに必要以上に欲しがる。すべてはほんのちょっと視野を変えるだけ で変えることが出来る価値観ではないでしょうか。
 宇宙に目を向けてみましょう。第九段階進化の惑星では人類はエネルギー体の存在となります。ですから他人を殺すことをしません。何故なら、「他人を殺す ことは自分のエネルギーを相手にぶつけて破壊することなので、他殺=自殺」となるからです。またそのコミュニケーションは言語ではなくテレパシーです(肉 体が無いので当然ですが)。ですから言葉と心が食い違う、本音と建前はありません。意思はそのまま伝わります。当然「嘘」はつけません。今の私たちから見 ればまさにそこはユートピアです。第五段階後期の星があります(地球は第五段階前期)。そこでは食料は人工栽培が主になっています。ですから食糧危機がな く「食うに困る」ということがありません。ですから争いも少なく、仕事も多くはロボット化され、人間は教育、芸術、技術開発等々、主にアイデアを出すもの が中心となっています。結果、人間はほとんどが創造的な仕事と芸術鑑賞等に時間を使っています。こちらも地球から見るとパラダイスでしょう。私たち地球人 も、同じ進化の道を辿っています。ですから今は同じことが達成出来ていなくても、必ずそこに到達するのです。それらは「宗教でいう理想郷じゃないか」とお 気づきになった方もいることでしょう。そうなのです。宗教思想の多くは開祖、すなわちチャネラーが宇宙の情報を得、宇宙システム=真理の一部を垣間見たと 考えるのが自然です。それが地球人の歴史の中で、社会情勢や権力者の都合で歪曲され、地球社会に馴染んで行った結果、真理とご都合が混在する教えとなった 可能性が高いのです。ですから反面、O真理教が盛んだった頃、その教義を聞くと「なるほど」と思う部分もあり、また現在のイスラム国においても思想的に 「すべてが間違っている」とは言いにくい部分もあるのがなかなか難しいところなのです。
 人間が真理を追究したいという欲求は本能のようなものです。また世の中に不平等があることも事実です。ならば小さい世界での価値観で殺し合いをするので はなく、もっと広く宇宙に目を向け、地球人類がいつかは到達する進化段階の価値観を知り、すこしでも早くそれを実現する努力をすることの方が大切ではない でしょうか。イスラム国のPRに「あなたが死ぬのは一度だけ。何故それを殉教にしないのか」というのがあるそうです。そこに共感するくらいなら、「あなた が死ぬのは一度だけ。それなら何故共存のための努力をしないのか」と全世界に問いかけたいと思います。