「展開」の波がやってくる!

 新年度に入り、待ちに待ったゴールデン・ウィークに突入しておりますが、皆様は何をして過ごしていらっしゃるでしょうか。私は大体毎年、研修センターを訪れています。都会ではこの時期、春真っ盛りとなり夏の気配さえ感じる日も多いですが、5月のセンターはまだまだ寒く、ストーブを焚きながら過ごすことも珍しくありません。それでも、そこここに新緑が芽生え始め、山菜が伸び、山の遅い春を感じる素敵な季節でもあります。

 日本ではそんなお休みの時期ですが、お隣の韓国では修学旅行生などを乗せた船舶の沈没という悲惨な大事故が起こってしまい大変なことになっています。日に日に出てくるニュースを聞くたびにあの事故は「人災」であったと感じます。その前にはマレーシアの国営航空会社の飛行機が行方不明となり、未だに発見されていないという悲劇も起こっています。相次いで起きたこの2国の大惨事には、同じ人災ではありますが、その後の処理に、大きな違いが見て取れます。最大の違いは救援に対しての要請の違いでしょう。マレーシアは早くから各国の支援を受け入れ捜索を行いました。飛行機事故ですから、その結果は芳しいものではありませんでしたが、近隣国はじめ出来るだけのことはしたようです。それに対比して今度の韓国の対応は不思議な感じがしてなりません。特に当初日本への支援要請は何もなかったようで、事故から1週間ほどたって要請が来たという情報もあります。もしそこに政治的な要因が働いたとしたならまさに「人災」であり、政治とは何なのかという基本論を政治家は見直すべきでしょう。

 それぞれの国がすべての災害に対して準備があるわけではありません。日本も原発の処理においてはフランスのメーカーにいち早く支援を要請もしています。このように自分達が持っていない技術や知恵・装備はどうしても借りなければなりません。ですから各国も被害にあった国に対しては惜しみなく援助の手を差し伸べます。日本における3.11においてもアメリカが行ってくれた「トモダチ作戦」はもとより、遠くイスラエルの医師団も大活躍していただきました。人間には得て不得手があります。だからこそ共に協力して生き延びることは自然界の摂理でもあるのに、高度に進化したはずの人間が、この「人間は集団的動物」という摂理さえ忘れ、国利国略に溺れたとしたなら情けない話です。他山の石とし、考えなければならないでしょう。

 反面、また常に考えなくてはならないことがあります。それは協力関係というものは「相互」理解が必要であるということ。この当たり前のような認識をすぐに忘れるところに人間の欠点はあります。思い返してみてください。何かトラブルがあると多くの人は「自分が悪いのではない。相手が悪いのだ」「こちらことを考えてくれない」「こんなにやってあげているのに」と考えてしまうのではないでしょうか。相手と旨く行かないのには「訳」があるのです。多くの場合、相互に「自分本位」があります。当然、「相手のことだけ考えて、自分を捨てろ」などと言いたい訳ではありません。ただ宇宙の真理には「他者感省」というものがあります。これは未来創学論における造語ですが、「他の人を感じることにより、自分の行動を反省して考える」というものです。この言葉の原点には進化した人類における生き方が反映されています。言葉ではなく、テレパシーでコミュニケーションをとる場合、嘘や繕いは出来ません。本心が丸出しになってしまいます。ですから「相手と調整」をしなければ協力を得るどころか存在すら危ぶまれてしまいます。人間の本質は「相手とぶつかる」ことではなく「相手と調整する」ということが真理に沿った考え方だと思って下さい。

 この時期から、2月から変化してきている「展開」の波が本格化します。わかりやすい現象としては、今世界中で起こっているように、「本心が見えやすくなる」ということがあげられます。これからは自分が思っている以上に「本心が出てしまう」という波動になって行きます。ですからこの波を有効に利用するためには「行き当たりばったり」「何とかなるさ!」という考え方ではなく、「目標を持って思考」することにより、相手に自分の考え方をより強く印象付け、理解してもらいやすくなります。そしてその「目標」は相手を駆逐することではなく、「共存関係を築きたい」というものでなくてはいけないと思います。本心がわかってしまう波動ですからこれは当然のことでしょう。新しい「展開」は必ずやって来ます。GWにあたり「共に生きる」ことの重要性を考えてみるのも有効な過ごし方ではないでしょうか。