☆世界の崩壊!?


◆古今東西を問わず人間の歴史は誕生と崩壊を繰り返しています。世界のどこにおいても永遠に続く時代はなく、どんな強い権力者であろうと、どんなに優れた都市であろうと、その終焉はやってきます。

◆日本の歴史の新しいところでは、昨年テレビドラマになり大ヒットした坂本竜馬の生きた時代、300年の歴史を誇った幕府から明治政府へと変わってゆく時代がありました。そして昭和の第二次世界大戦による国の崩壊と再生。日本の近代においても大きな崩壊と誕生がありました。

◆崩壊が始まるとき、その前には混乱が始まります。これを称して「生みの苦しみ」というのでしょうか。今、世界が迎えている現象はまさにこの生みの苦しみの混乱だと最近強く感じるようになりました。

◆そこには大きく2つの特徴があらわれます。一つが「思い違い」であり、もう一つが「気付き」であります。中東における政府の転覆劇、西洋ではこれを「民主化運動の高まり」と称して報道されることが多いようですが、これは大きな「思い違い」です。真相は、一握りの独裁者が握った権力と富の奪還です。これが旨く再分配されないようようなら民主化どころか急速なイスラム化が起こるでしょう。イスラム化自体は別に悪いことではありませんが、暴徒化した民衆が一神教に走るとテロの温床となるケースが多いことは確かです。

◆テロといえば、も一つの歴史的「思い違い」が最近ありました。イスラム組織アル・カーイダの首謀者に絡んだニュースがそれです。ことの始まりは2001年の9.11事件です。アメリカはこの事件以来「テロとは徹底的に戦う」姿勢を示し、最近その首謀者と思われる人物を「処刑」しました。アメリカは9.11テロに対し、「軍」を出し、アフガニスタン、イラクの2国を壊滅させましたが、ここに大きな「思い違い」があることは皆様もおわかりのことでしょう。テロは「戦争」ではなく「事件」です。戦争でない限り、基本的に軍が攻撃をすることはありません。また首謀者は裁判に掛けられることもありませんでした。テロを受けた心情は理解できますが、その後の対応はまさに「思い違い」の産物です。これにより暴力が暴力を呼ぶ連鎖が収まるとはとても思えません。事実、この件に関連した報復テロは世界中で始まっています。

◆ではどうするか。憎しみを抑えるのは「相互理解」しかありません。一個人のケンカに置き換えてみます。ある人が殴られたとしましょう。この現象だけを見れば、暴力を振るった者が悪いのは明白です。しかし、多くの場合、一方的に理由もなく殴られるということは多くはないでしょう。問題は殴られた「理由」です。相手を暴力に訴えなくてはならないほど精神的に追い詰める。相手が攻撃したくなるほど支配して搾取する…。理由はいろいろでしょうが、意図するかしないかは別としても、暴力を受ける理由をこちらが作ってしまう場合もあるのです。殴られれば怪我をし、得なことはありません。基本は「殴られないようにする」ことです。テロは決して許されるものではありませんが、テロを受ける理由は何なのか、そして「どのようにしたらテロ攻撃を受けない付き合いをするか」これが重要です。

◆そしてこれがもう一つの大きな要素「気付き」です。社会が混乱するとき「いままでのシステムに拘り、それを守ろうとする」立場と「変化に気付き、新しい価値観を導入しようとする」立場が現れます。そして社会は必ずといってよいほど後者に向って進むものなのです。

◆最近また、マヤの暦を引き合いに出し、2012年が人類の滅亡であるとか、2013年に新しい時代の扉が開くとか、かまびすしくなって来ておりますが、新しい扉はすでに2003年以降確実に開いています。それが2013年後から顕著に現象として見え始めることは事実でしょう。世界が崩壊から再興へのシステムに乗っていることは確かですが、この重要な「気付き」=「新しい価値観に目覚める」人が多くなればなるほど次の再興は素晴らしいものになってゆきます。次世代に残す時代をより良いものにする責任が私たちにはあるのです。