☆ザ・ロスト・ゴスペル


5月は「五月晴れ」(本来の意味は、5月以外の月で爽やかに晴れた日のことを差すのですが…)のはずなのですが、何故か天候不順で日照が平年の半分にも満たなかったとか。ここのところ体調不良を訴える方が非常に増えております。皆様は如何お過ごしでしょうか。

6月に入り、日本で最もうっとうしい季節がやってまいります。雨は雨で風情もあるのですが、梅雨の季節はどうも…!せめて気分だけでも晴れ晴れしたいものです。

ところで最近、キリスト教が受難のようです。

世界的な大ヒットサスペンス小説「ダ・ヴィンチ・コード」。そして、その映画が日本でも封切られました。ご覧になった方も多いことでしょう。この映画はちょっとした社会問題にもなっているようです。
ヤフーニュースでは「インド全土で公開が無期延期されていた『ダ・ヴィンチ・コード』が、世界に一週間遅れて公開となった。インドの検閲はソニー・ピクチャーズに対し、映画の前後に、この作品がフィクションである記述を改めて入れることを要請しており、ソニー側がこれを受け入れたことで、公開が実現した。これにより、インドでは本編の最初と最後に、フィクションであることを強調する15秒間の記述が入れられる。」
「~国民の83%がカトリック教徒のフィリピンはもちろん、インド、シンガポール、韓国などアジアを中心にボイコット運動が広がった。フィリピンの首都マニラや南太平洋のサモアで上映を禁止。ギリシャでは十七歳未満の観賞が禁じられた。米国でもカトリック系団体が全国紙USA・TODAYに抗議行動を呼びかける全面広告を掲載し、映画配給元が関連会社のソニーの製品の不買運動を始める団体もあった。こうした封切り前の運動もしかし、さほど客足を鈍らせてはいない。~」と伝えています。問題多発です。

それもそのはずで、「イエス」を人間とみなし、その子孫が現在も存在していると言う内容ですから、混乱も起きることでしょう。またこの時期に新たなる古文書の発見が話題になっています。ナショナル・ジオグラフィック協会から刊行された「ザ・ロスト・ゴスペル:ユダの福音書を追え」がそれで、こちらの内容もキリスト教にとっては過激です。何と裏切りのユダ、イスカリオテのユダは裏切り者ではなく、イエスの最も信頼した弟子であり、イエスの指示によって「その本質である魂を封じ込めている肉体を滅ぼす手伝いをしたのである」という内容が書かれた古文書の研究が、その発見の経緯とともに書かれています。どんな宗派であっても、現在確立されている教義が覆されるような資料が次々に出てくることは脅威でしょう。

それらの内容の是非はそれぞれの判断に任せるとしても、今起こっているこの現象は興味深い問題を提起します。よく歴史は、「その表舞台に躍り出た権力者によって書き換えられる」「歴史は強者の歴史である。」と言われます。真実でしょう。その裏に生きた一般市民や、弱者の歴史はほとんど後世に残ることはないでしょう。ですから現在の歴史が正しいか、価値観が真理であるかは熟慮が必要となるのです。2003年が過ぎ、新しい進化段階に入った今、この時期にさまざまな考え方が提起されたり、新たなる資料が出てくると言う事実は見逃せないタイミングです。人間の内にある本能が「知識」を求めていると思います。これから一人ひとりがやっと「本質」を考える時代に入りはじめたのでしょう。

わくわくする時代だと思います。