早いもので猛烈な暑さの夏も過ぎてみればあっという間で、もう秋の気配が漂って来ました。もっとも体調を壊しやすい時期に入ってまいりましたので皆様にはご自愛いただければと思います。このロング・インタビューも佳境に入り、未来創学論をより深めて参りたいと思います。では今月もスタートです。


編集部(以下、編):前回は「そもそも論」ということで、物事の始まり、未来創学アカデミーの始まりという観点から大切なお話しをいただきました。今回も人生に役立つお話を深めてまいりたいと思います。宜しくお願いいたします。


菊地トオル学長(以下、学長):こちらこそ。宜しくお願いいたします。


編:先日開催された「第131回経営者懇談会」において、学長が最後にちょっと変わったお話をされたことが印象に残っているのですが…。どの部分かと言うと「最近、皆さんの身の回りに限って言えば、多分比較的安定しているでしょう。でも日本を含め、社会や世界は大きく動いているのです」というところです。特に「その流れに乗って、皆さんも精一杯動いて下さい。それがタイムリーな動き」だとおっしゃいましたが…。これはきっと経営者に限らず、会員の皆様にも参考になるお話しだと思いますので、もう少し詳しく解説をいただけないでしょうか。


学長:わかりました。そろそろ来年2016年の予測を含め、さまざまな方向の「社会の雰囲気」をリーディングし始めているのですが、その中で社会の奇妙なオーラを感じるのです。それは「最近、あちらこちらで勝手なことを言い始めている!」というひらめきです。昔から人間は勝手なことを言う生物ですが(笑)、特に最近、個人にしても国家にしても発言や行動がメチャクチャに感じられないでしょうか。ちょっと真面目に分析して行きましょう。

 最も気になる部分は「それぞれの発言や行動の根底に理念が感じられない」ということです。良くも悪くも今までの流れの中には一定の「価値観」がありました。簡単に言うと、世界秩序であれば「冷戦構造」であり「力(戦力や経済力)の差」です。もっとわかりやすく言うと敵味方が明確で、アメリカを中心とした自由主義圏とロシア(ソ連)を中心とした社会・共産主義圏という秩序です。また経済で見れば、アメリカを筆頭に、それに続く日本、ヨーロッパ諸国、すなわちサミット構成国が世界秩序であるという、何となくではありますが秩序がありました。これが崩れているということです。


編:中国の経済大国化とかイスラム圏の台頭とかでしょうか。


学長:そうです。


編:それが何か問題なのでしょうか。


学長:「問題」とか「悪い」とかいうことではないと思います。世界が変わってきているということです。まず一番の変化は「アメリカの力が明らかに落ちてきた」という部分。第二次大戦以降、アメリカの価値観はとても大きく、世界のお手本みたいでしたよね。自由はいい!資本主義はアメリカに見習え!って言って、事実そんな部分があったわけです。でも近年、共産国である中国が世界第二位の経済大国となり、アメリカさえも中国経済に頼らざるを得なくなって来ました。結局、経済は「主義」の問題ではなく、「人数」の問題なんだということがあからさまになって来て、アメリカの立場が弱くなって来た。また宗教という人間の考え方の部分でも、欧米諸国が地域支配と洗脳のために使っていたキリスト教が実は比較的マイナーで、ふたを開けてみれば土着宗教であるイスラムの方が圧倒的に人数が多かったという事実が表に出てしまった。ですから世界の秩序が大きく変わり始めたということであり、それを「社会のオーラ・リーディング」でもひしひしと感じる訳です。だから「みんなが自分の価値観で勝手な(自由に)ことを言い始めている」ということをお話ししたんです。「世界の価値観が定まらなくなってきた=新しい価値観が生まれる前兆=新時代の到来」を感じたということです。


編:経営者懇談会のときは、あっさり聞き流していましたが、本当は重大な変化の波がきているということなのですね。


学長:そこです!そこっ!…ネコのCMみたいですね(笑)。ですから良い悪いではなく、時代の波動が変わってきたということだと感じます。その変化を、まずは知っておいていただきたい。それに対応するために「皆さんもさまざまな事柄をさまざまな視点と方向から考えて欲しい」「それを発信し、皆で検討し、新しい時代の秩序を探して行こう」という主旨での「精一杯動いて、勝手なことを言いましょう」ということなのです。

 人間の能力は素晴らしいもので、考えれば考えるほど「真理」に近づいてゆくものです。考えるということは「理論」でしょ!と思われるかも知れませんが、そうではないのです。その昔、仏教の開祖である釈迦が「悟りを開いた」とされています。これは「考えに考えた末、素晴らしい論理を作るに至った」ということではなく、「深く考えて行くうちにチャネリングが起こり、宇宙の真理が見えた」ということです。次のセミナーでも詳しく解説いたしますが、「深く考えると自分でも知らないことが頭に浮かぶ」ことがあります。これがチャネリングの基礎であり、「勘」の訓練にもなるんです。


編:よくわかりました。やはり経営者懇談会だけではもったいない!(笑)ところで、この「時代の変化」が最近特に起こっている原因は何なのでしょうか。


学長:それはずばり「デジタル技術」の発明です。社会を変える発明は過去にもありました。18世紀、産業革命を引き起こした蒸気機関に代表される新時代の機械技術がそれです。それ以上に社会に影響を与えるものが「デジタル革命」なのです。前にセミナーの中でお話しいたしましたが、チャネリング情報においても、比較的「進化」程度が近い惑星では矢張り「デジタル技術」が存在していることがわかりました。この技術は人間が進化して行く中で必然なのかもしれません。技術や科学というものは、人間が「まったく宇宙に存在しないものを発明」するのではなく「宇宙の中に存在する論理を発見する」ということです。簡単に言えば、「宇宙にあるものを見つける」ということです。進化の程度が進むにつれ、その程度に合った「真理」を見つけるということ。それによって社会が激変しました。このあたりから世界秩序も変わってきた、ということです。


編:すごく興味深いお話しになって来ました。引き続き「社会の変化」についてお話しいただき、「人生の幸せ」についても繋げていただきたいと思います。(次回に続く)