３ 転生輪廻の法則
☆人間は「人間以外のもの」に転生輪廻しない！
皆さんは転生輪廻という言葉をご存知のことでしょう。
古くから当たり前のように使われている言葉です。仏教倫理にも登場しますし、外国においても英語圏では「リーインカーネイション」と呼ばれています。
それではこの「転生輪廻」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか？
さまざまな宗教的法話の中にあるように、例えば「あなたは現世において、何か悪い行いをすると来世は一介の畜生に生まれ変わってしまいますよ」とか、これも一部、言われるように、問題が起こったときなどに「その問題は前世において何か良くない事をした、罪を犯した者の生まれ変わりの仕業！」などというのを聞いた事があるでしょう。
世にいう「因果は廻る」、「因縁」、「業の報い」の類です。
さて、それでは一体、この様に言い伝えられている転生輪廻とは本当に前世の因縁や単純な生まれ変わりで行われているのでしょうか？
それはノーです。
本章の１をご理解いただけた方は既に気づいていることと思います。
人間（ここでは地球の人類に限定して話を進めます）は、その肉体と同時に発生した本人のメイン・コントローラー（すなわち、生体エネルギー）の周波数を中心に、数多くの他の生体エネルギーによって成り立っていることは、前に説明したとおりです。
それは、「過去において肉体を持っていた人間が死を迎え肉体を失くしたとき、次に生まれ変わってくるときは、一つの魂が一つの肉体に生まれ変わるという転生輪廻はあり得ない」ということなのです。
〝生まれ変わり＝転生輪廻〟はいままでに説かれてきた既存の概念とは全く別の形で行われていて、過去において〝何の誰兵衛〟さんがその記憶を持ち続け、現世に生まれ代わるということはまずないということなのです。
☆過去の〝業（ごう）〟は人間の弱点から発する
現代の生活でのさまざまな現象や行動が、過去における何らかの霊によって関連付けられ縛られていること……例えば「先祖の報いによってあなたの人生がどうこう～」といった考え方には大きな問題があります。
人間は常に第三者にその責任を押しつけることにより、自分の過ちを少しでも和らげようとします。
また自分以外の第三者を想定することにより自らの運命をも託してしまうという責任逃れという本能的な弱さを持っています。これは自らの行動を適性に判断する能力を奪ってしまうという最大の欠点を持っています。
人間は常に真理を知り、自分をコントロールすることによって心のバランスを保つ努力をしなければ、すぐにこの弱点に陥ってしまいます。
転生輪廻の法則を理解する時、「過去というものは既に終わってしまったもので、現存する人間にとっては生きていく上において一要素でしかない」ということを認識する必要があるということなのです。
〝一要素〟
その意味での転生輪廻とは、今現在肉体を持って生きている人間の生体エネルギー部分の過去の記憶の伝達で、それはむしろ遺伝という情報を伝えるＤＮＡと同じような働きをしていると理解するとわかりやすいかも知れません。
☆あなたは誰の生まれ代わりですか？
転生輪廻の法則について、かなり今までの解釈と違っているので戸惑っている方も多いと思いますので、もう少し詳しく説明します。
歴史上にも、また皆様の心の中にも転生輪廻の繋がりとは、「一対一」、つまり一人の人間が死に、そしてその死んだ一人の人間が新たに生まれた人間に生まれ代わる。というイメージが刻み込まれていることでしょう。
この間、あるテレビ番組を見ていたところ、霊媒師の方にゲストの方が何の抵抗もなくこう質問していました。
「私は誰の生まれ代わりでしょうか？そして私は過去においてどんな人間だったのでしょうか？」
そして霊媒師も答えます。
「あなたは～時代のどこどこに、～といわれる名前で～を仕事としてやっておられた方です」
これらの会話の中には、ひとつの前提があります。
お気づきのとおり〝人間は必ず過去に生きた誰かの生まれ代わりである〟という前提です。
何の疑問もなくこの考え方を受け入れています。
転生輪廻のメカニズムを理解する時に、ある一つのことを確認しておかなければなりません。
それは、霊現象を解き明かしていくときにどうしても必要な原則です。