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霊の記憶【ベルメウスの時代 Vol.15】

生体エネルギーは自分の名前を知らない!?

 

 霊現象を調べていくと、その中にいくつかのパターンがあることがわかります。

 それは次のような場合が多いように思います。

 

・    自分の特に関係していた人物を覚えている

・    何か特に訴えたいことのみ記憶している

・    すごくやりたかったことのみ記憶している

 

 つまり生体エネルギーの記憶・感覚の多くはこのようなことのみを覚えている(記憶している!?)ことが多いようです。これらの条件が重なって現われることもありますし、何か一つだけ特に強調されて現われる場合もあります。

 でも、霊現象の中で、生前の「氏名、年齢、住所、電話番号」などを名乗る(記憶している)エネルギーにはほとんど出くわしたことはありません。

 その仕組み上、肉体の消滅後もすべての記憶や感覚を完全に維持し、持ち続けることはほぼ不可能と言えるようです。

 これは、過去に、どんなにすばらしい偉業を成し遂げた人物であっても、どんなに偉大な頭脳を持ち得た人物であっても例外ではありません。

 

 ただ、もし例外があるとするならば、完全なる記憶と感覚を維持することが出来る生体エネルギー、つまりそれは明らかに地球上に生存する人類の進化段階を越えて、宇宙からの何らかの影響を受けた特殊な能力を備えているエネルギーには可能です。

 これはすでに肉体のいらない進化段階に入った人々のことであって、地球の人々においては、まだまだ生体エネルギーの完全なる独り立ちはできません。

 

 ですから地球人の生体エネルギーの記憶は多くの場合曖昧で、自分と云う存在をハッキリと自覚していることはすくないといえるでしょう。

 

 それでは地球人の霊意識はどの程度維持されていくのでしょうか。

 また、どのような作用で意識が生体エネルギーに記憶されていくのでしょうか。

 

生体エネルギーの記憶は強い感情によって記録される

 

 人間は肉体を失った時に、生前の記憶や感覚をどのようにして生体エネルギーに記録し、維持するのかといえば、これは、その人が「これは記憶しておこう」とか「これは忘れてもよい」などというように、自由に選別することはあまり出来ないようです。

 

 生体エネルギーに記録される(要するに、「霊になっても覚えている」という現象)には、それなりの条件が必要です。

 

 これに関わってくる大きな条件は“感情”のようです。

 

 皆さんは、人間の感情の中で、典型的なものとして、「喜び、怒り(又は呪い)、悲しみ」を挙げたとしたならば、この中でどの感情が最も強くて、どれが最も弱いと思いますか。

 

 チャネリングでもこのことについて教えられましたが、人間の感情の中で、発するエネルギーの強い順から並べると、「怒り(又は呪い)」→「悲しみ」→「喜び」となります。

 つまり最も強く、持続するエネルギーは「怒り(又は呪い)」だということのようです。

 

 古今東西、怪談話や霊現象に“怨み事”が多いのは、この作用があるためでしょう。

 また半面、人間にとってはこの強いエネルギーである“怒り”が、人生を生きていく上で非常に大切であることにもお気づきになるでしょう。

 それは使い方によって、良い意味での「見返してやろう=いまに見ていろ私だって!」の精神となり自分の前向きなエネルギーにも変化するからです。

 肉体を持つ地球人類にとって、これら「感情のエネルギー」は自滅にも発展にもつながる大切な要素となります。

 

 そして、このことが人生を生きていく上の重要な課題にもなっています。 「エネルギーの発し方」によって生活が変わって行くからです。

 

 次の「悲しみ」「喜び」という順番は皆さんも「そうだろう」と納得のゆくところでしょう。

 楽しいこと、嬉しいこと、幸せなこと……、これらは比較的エネルギーの発信が弱いもので、持続させることが難しい種類の感情です。

 これらの感情は、悲しみや憎しみがわくと、すぐに消えてしまいます。

 

 このような感情の作用によって霊の記憶は残される場合が多いのです。ですから生活の中で「怒り」「恨み」などの感情はあまり持ちたくないということになります。もし何かあったらそんな感情がもっとも強く残ってしまうのは嫌ですから……