若者が「キレ」やすくなっている、と云う話題を聞き始めてからかなり時間が経っているように感じますが、最近「キレやすい」のは若者だけではないようです。
さまざまなところで耳にするのは、年配の方々の「キレっぷり」。
「コンビニのレジでクレームをつけているお年寄りをよく見る!」
「ファミレスで従業員に文句を言っているご老人!」等々……。
お年寄りだけでなく、他にも最近良く聞くニュースに、「あおり運転」というのがあります。
昔から「ハンドルを握ると人格が変わる」という話題はあったのですが、今日のように高速道路で停止してわざと衝突させ、挙句暴力をふるうなどという事件はあまり聞いたことがありません。
世界で同じような傾向にあるのかどうかは不明ですが、少なくとも日本においては、すべての年齢で「キレる」傾向が増えているようです。
その一因は明らかに社会のストレスです。
デジタル技術によって社会は激変しました。この技術は大変有効なものです。生活が驚くほど多彩で便利なものになりました。
しかしながら反面、極端な効率化や異常なスピード感をもたらし、人間のアナログな感覚にはマッチしない部分もあり、ストレスの原因にもなります。
教育においても多少は改善の声が上がっているとはいえ、長い間、平均化と知識の詰め込みが行われ、「個性尊重」などは言葉だけと云う状況が続いていました。
女性の社会進出が叫ばれてはいますが、本質のところは「労働力不足を補う手段」と考える人も多く存在し、本来の男女平等精神とはかけ離れているように思えます。
また、さまざまな「ハラスメント」により社会が萎縮し、人間社会に必要なコミュニケーションに支障をきたす場面も少なくありません。
このような社会のストレスが「キレる」人を増やしていると言えるでしょう。
人それぞれが居場所を失ない、自信を喪失しているともいえます。
年配者はデジタル・スピード社会に付いて行けないなどでイライラを募らせ、時代が変わっているにも関わらず自分の経験を押し付けようとする。
若者はそんな年配者に尊敬が抱けずに、また年配者の衰えによる焦りが理解できずに断絶する……それぞれの年代に不満と不安が生じています。
これらを解消するためには、やはり「基本を考える」必要があります。
人生のかなりの時間を占める仕事。だからこそ、そこには「楽しみ」がなくてはならないでしょう。
ハラスメント以前に大切なのはコミュニケーションです。
人に個性の違いがあるのは当たり前。
そんな「基本を考える」ことこそ必要です。
これらは綺麗事ではありません。これらを綺麗事と捉えることが問題なのです。
現代のように、時代の過渡期にある時に大切ことは一つです。
余裕を持つ努力をして、やわらかく行き(生き)ましょう。
そして自信のない人に一言!
「あなたは誰の生まれ変わりでもなく、まぎれもなくこの大きな宇宙に存在している唯一無二の存在です」。
こんな奇跡はめったにないのです。自分を大切に!