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「空想力」で遊ぼう!

 昔から「流行りもの」に対しては風当たりが強いものです。曰く、「漫画を読んでばかりいるとバカになる」、「エレキギターは不良の始まり」。最近では、「スマホやゲームは脳を壊す」……。

 新しいものに批判は付きものなのでしょう。

 

 確かに、漫画ばかり読んでいて他の勉学をしなければ知識は上がらないでしょうが、最近では歴史や文学なども漫画で学ぶ時代です。また名作も沢山存在します。エレキ・ギターが不良の始まり、という論理はよくわかりませんが、確かに音量的にも過激で、ファッションとも結びつき、前衛的な一面があったことは否めませんが、現在ではポピュラー音楽にとってなくてはならない楽器となっています。ゲームも同じで、それにばかり偏っていると弊害は起きるでしょう。スマホも結構癖になり、それがないと不安になるという方も多いのではないでしょうか。

 

 趣味にしても文化にしても、新しいもの(事)が出てくると、その当初はさまざまな問題点が指摘されますが、それらが改善、淘汰され、利用する方も使い方を熟知してくると弊害は減り、なくてはならないものになってゆくケースは多いものです。

 実にコンピューターなどは、現代社会に欠かせないものとなりました。

 

 その反面、その面白さ、便利さの陰で、なくしてしまうものがあります。

 それは、「時間」です。

 2019年の調査によれば、15歳から59歳までのスマホ利用者を対象にした使用時間は3時間以上の利用が約7割を占めたという結果になっています。中には10時間以上が5%前後もいるようです。

 この利用方法の中には通話、音楽鑑賞、読書、情報収集、ゲームなどいろいろな使い方があるのでしょうが、少なくとも「目から入る」情報に相当な時間が使われていることがわかり、現代人が多くの時間をスマホに傾注しているしていることがわかります。

 これはある意味で「情報の氾濫」状態でしょう。

 

 以前、このコラムで「ヒラメキ」をテーマにしたときにもお話ししましたが、人間の脳には「デフォルト・ネットワーク」という仕組みが存在するようで、ヒラメキはさまざまなことを「集中して」考え、その後に「ボーっとする時間」を取ることによって得やすいということがあります。

 確かに、アイデアが欲しいときなど、「いろいろ考えてもなかなか浮かんでこないのに、忘れたころにひらめいた」などいうことは皆さんも経験があることでしょう。

 

 こんな情報量が多い世の中ですが、機材を使わず人間の感覚だけを使った遊び方もあります。それが「空想」です。

 人は空想をすることにより、360度方向にエネルギーを飛ばし、さまざまな感覚が刺激されます。自然から受ける感覚が鋭くなったり、感性が研ぎ澄まされたりもします。

 

 こんな時代だからこそ、「空想力」で楽しみ、感性を豊かにしてみるのも良いではないでしょうか。お勧めです。