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相変わらずの「抜け穴」~なんだかなー

 新聞の一面にこんな記事があった。

 

 「コロナ病床実態調査へ 補助金受け消極的な病院も」

 

 コロナ病床確保のために一床あたり1950万円を補助する制度で、すでに1兆円以上が投じられているという。

 コロナ治療の最前線にいる医療者には敬意を表し、この政策は適切だと思われるが、その運用はいかにも「政府(行政)あるある」だと感じる。

 そもそもこの制度は2020年度末から始められたようで、これからしてすでに遅いと感じるが、半年以上たっても「病床確保」という、その有効性が明確になってきていない。

 それで実態調査を行うことにしたという記事。

 

 そこで問題になるのは、いつもながらの「抜け穴だらけ」の行政である。

 

 というのも、この制度には「正当な理由があれば」拒否できる事例があるようだ。その正当な理由というのが、「人員不足」「別の病気の方の入院でベッドが埋まっている」等というもの」。後者はそれなりに納得できるが、「人員不足」は事前にわかっていることで、それならもともと給付金を受ける立場にない。

 これには行政側にも大いに問題がある。それは「病床を確保した」という数字上の「やっている感」をだしている……という事情も感じてしまうのは私だけではないだろう。

 

 「緊急事態だから多少の曖昧さは致し方ない」「だから調査をする」……。

 理解できないわけでもないが、平時でもこんなことばかりやっているから信頼がおけなくなる、ということを何卒ご理解いただきたいと思う。

 

 このように指摘すると行政は「だから指導は例外なく、きっちりと行う」ということになってしう。まともに「国民のことを考えた」規制・規則ならまだそれもあり得るが、「行政のための行政を守る行政手法」であるならいただけない。

 

 ちょっとでも申請書の文字が間違っていようものなら、鬼の首でも取ったように指摘し、厳しく拒否をする運用がはびこる。最近ではコロナ関連の給付金で数多くあったようだ。(個人的にも建築許可や、最近ではワクチン接種証明で本人が行って申請しているにもかかわらず、後に本人からの委任状を要求され、指定された書類を提出したのに書類が間違っているとの指摘……という考えられない行政対応を味わった)。

 「柔軟性を持って運用する」ことと「抜け穴だらけの指導」ではまったく意味が違うことを認識し、態度を改めていただきたいものだ。

 

 人間の行動には、目的と信頼が大切だということを痛感する。