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緊張と緩和の効用

 未来創学アカデミーの設立から35年が経ち、スピリチュアル分野への雰囲気も随分と変化しました。

 以前にもお話いたしましたが、当時、この分野は「霊能」「霊媒師」などといわれていました。それに比べて現在では、「癒し」「ヒーリング」などという言葉は普通に使われています。単に言葉が変化しただけでなく、人間は「肉体と生体エネルギーが備わっている存在」という概念がかなり浸透して来ました。長い間、啓蒙を続けてきた成果だと自負しています。

 

 現代は、ITを筆頭に精神的にも肉体的にも情報過多による疲労は計り知れないものがあります。またいつの時代も人間関係によるストレスも見逃せません。世界に比べて社会的安全が保たれ、犯罪も少ない日本ですが、自殺者比率が高い(世界3番目※1)のはストレス耐性が弱くなって来ていることを物語ります。同質社会であり、比較的社会における競争傾向が低いのが原因だと思われます。逆の順位だと最も比率の少ない国はイタリア。

 イメージとしても納得が行きます。次にイギリス、アメリカと続きます。これはなんとなくイメージが沸かないのではないでしょうか。アメリカなどは貧富の差も大きく、経済的競争も激しいイメージです。人間にはある程度のストレスは必要なのだということでしょう。

 

 さて、そんな中で効果的にヒーリングを行う方法をお伝えしようと思います。

 日本では「頑張った自分にご褒美」とか「サウナで整う」「温泉でまったり」、「動物に癒される」等々、さまざまな「癒し」が話題に上ります。「日本人はそんなに疲れているの?」と思うくらいです。もちろん話題としての癒しだとは思いますが、本格的に「ヒーリング」するためにはまた別の方法が有効です。

 

 それが「緊張と緩和」です。

 イギリス人やアメリカ人は働き方にメリハリがある傾向です。もちろん人によりますが働くときにはかなり突き詰めて働き、休む時には徹底して休む。このような傾向です。

 ヒーリングが効果的に働くのはこのような状況のときです。以前「ヒラメキ」のお話をした時と似ていて、ヒラメキを得る効果的な方法は「徹底的に突き詰めて考え、そして休息を取る。そんなときにヒラメキは起きる」という事実です。

 効果的なヒーリングというのも自分の心身をある程度まで追い詰め、限界を見極め、その時点で心身を開放するという方法です。

 私自身も不具合のあった身体的状況を徹底的に突き詰め、心身共に追い詰め、そしてそれを開放したときにスピリチュアル能力に目覚めました。

 荒行をしろというわけではありません。社会で生きることそのものが荒行ですから。その社会の中で、あとほんの少しだけ頑張って、そのあと思い切って休息を取る。このようなメリハリを心がけてみてください。

 そうすることにより生活も癒しも、その密度は格段に濃いものとなることでしょう。

 

※1:自殺者比率が最も高いのはロシア、二番目がハンガリー。