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創造的工夫のある「第二の創業」が 日本を活性化する

 コロナ後の活性化ムードが漂っています。一部報道では、企業の業績も史上最高になっているところも増えて来ているようです。しかしながら雰囲気、すなわち人々の波動を見るとまだまだ低迷は続いている感じです。

 

 何故、人々のパワーが戻らないのでしょうか。それには二つの側面を感じます。

 一つは、産業構造の問題。

 もう一つは政策的問題です。

 どちらにも日本人の「パワー」をまだ感じられないのです。前者の「産業構造」は、これは現在、日本がリードする産業分野が圧倒的に少ないということ。

 現在の日本にも新興の、元気の良い企業家は多く生まれています。ですから一部ですが聞かれるように、百貨店は増収増益、都心のマンションは平均で一億円越え、高級車も売れています。しかしながらその多くはIT産業に限られ、既存の業種は低迷しています。つまり元気の良い企業群が一部の産業に偏っているために、全体的に「元気な波動」が感じられないのです。

 

 もう一つの問題は「政策的問題」です。

 投入資金が他の発展国に比べ圧倒的に少ない……という問題が挙げられますが、細かな政策よりも、「その政策にあまりビジョンを感じない」というのが本音です。

 

 人間の能力に「年齢」は関係ありませんが、一般社会の通例として「定年」があります。この年齢基準は大体65歳ですが、今回の内閣改造を見ても、19人の閣僚のうち11人が定年年齢以上です。

 このような構成で、明日の日本の政策が考えられるのかどうかは大いに疑問となるところです。

 

 このような問題が横たわり、波動が低迷する現在の日本ですが、来年以降の予測をしてみると若干明るさも見えてきています。

 それは若手を中心に、遅ればせながら日本にもベンチャー起業の波が表立って来そうな雰囲気を感じるからです。

 これは世の中の「活気」となり、伝わって行くので大変喜ばしいことです。そしてそれらに影響され、既存の企業も活性化してゆく可能性を大いに感じます。

 

 そこには二つの重要なポイントがあります。

 若手の企業はやはりITがらみが多いことは容易に想像がつくことでしょう。しかしながら日本には、埋もれつつある「積み重ねのある産業」が沢山あります。例えば、すでに外国にその多くが移転されてしまった家電製品を作る技術、アイデア。世界をリードする食文化。また世界が憧れるサービス精神等々です。

 これらの既存産業を2・0化し、再度日本から発信して行く余地がまだまだあるのです。 その既存産業を経験した経営者が、「創造的工夫」を持って、「第二の創業」を考えること。この二つが大切なキーワードとなっています。

 そしてこれが若手の起業と相俟って、日本が活性化する姿が見えているのです。今こそ、行動を!

 

※「2.0化」=アップデートし、新しい段階にすること。