社会のシステムを変えるには!2

 第七段階進化の惑星ミラナスの人々は生きることについて、人生で最も重要で楽しいことは「新しいことを知ることと、意見の違いを議論し調整することだ」と言っています。人間という生き物は肉体的な欲望が薄れてくると、「思考」を中心として生きていくように進化することが良くわかる言葉です。

 我々第五段階進化の物質的惑星と違い、第七段階は「分離期」と呼ばれるように、肉体がその機能を全うし、エネルギー体としての生命に生まれ変わる段階にあります。ですから我々地球人のように物欲、所有欲や食欲などに振り回されることがなく、それらにつながる経済活動や貧富の差による社会問題も起こることがありません。必然的に生きる中心は「知識欲」に向かって行くのでしょう。

 進化の段階と惑星環境が大きく異なっているので直接比較することは出来ませんが、少なくとも遠い未来に我々地球人の子孫もそのような創造的な人類に進化してゆくことが宇宙の必然だということがわかります。

 しかしながら現状の地球社会の問題を見回すと、まだまだその境地とは程遠い状態であることに愕然とします。最近の中東情勢は混迷を増し、さらにアフリカへと広まりつつあります。またイスラエルとパレスチナ問題が再燃し始め、ウクライナ紛争もまったく解決の糸口が見つかりません。

 IS(自称イスラム国)の問題は更に混迷を極めていますが、一方で欧米勢力と社会主義勢力の代理戦争であるウクライナ紛争もややこしくなっています。この問題は基本的には内戦ですが、ウクライナ政府を支援する(その方が経済的に有利になる)欧米と親ロシア派住民を支援する(資源の問題で)ロシアとの利害が大きく絡んで、ただでさえ解決が難しい民族問題を更に難しくしています。

 そのような情勢の中で2月上旬に一筋の光明が見え、話題になったのを皆様もお聞きになったでしょう。ドイツ、イギリスの首脳が仲裁に入りロシア大統領とウクライナ大統領の会談が行われ、停戦合意が成立したのです。結果はどうなったかというと皆様ご承知の通り、そして大方の見方の通り、いまだに紛争は続いています。当事者だけでなく余計な経済的欲が絡んだ人間が入り組んだ、非常にやっかいな問題です。その後も停戦に向けての話し合いは続けられています。

 この2月の停戦合意のとき、メディアは大きく取り上げました。そしてどのメディアも同じ言葉を繰り返していました。それが何かと言えば「各国首脳は『16時間の長きに渡り』話し合いを続け…」という言葉です。

 そもそも16時間という時間が「長い」のでしょうか。私はここに違和感を感じます。

 確かに一国の首脳となればそのスケジュールは分刻みでしょう。解決しなければならない問題は山積しているのも理解できます。メディアは続けます「各国首脳は疲れきった表情を浮かべて、この「停戦合意が如何に難しかったかを物語っています…」16時間も話していればそれは疲れたことでしょう。

 しかし、ことは戦争解決です。その時間にも人は争い、殺し殺されています。

 領土や民族問題、人種問題、宗教問題、利権が絡む紛争は世界史的に見ても気の遠くなるような昔から続けられています。イスラエル・パレスチナ問題もしかり。まさに神話の時代からの紛争です。そんな人間の業からくる紛争が、いくら首脳が直接話し合ったからと言って「たった16時間」で解決するはずもありません。この時間感覚に違和感を感じるのです。よく外交で「5分の首脳会談を行い…」などという報道も耳にします。5分で話し合いは出来ません。紛争が頻発しているこの世の中で政治家はもっと外交を行い、もっと時間をかけて話し合いをしていただきたい。「忙しくてそのようなことばかりやっていられない!」と首脳陣は言うかもしれません。しかしながら「テロには屈しない」という言葉で国民を見捨てることが正義であるならば尚更のこと、「戦争を起こさない」という命題を政治家最大の目標にしていただきたいものです。

 政治家への苦言は別として、「意見の相違」を解決するには進化した人類とて大変な時間をかけて話し合いを行います。しかし地球人類と最も違うところはそれを「楽しんでいる」というところです。その前提には「紛争を起こさない(起こらない)」という長い宇宙的な歴史の中での進化と学びがあります。我々の地球において諍いは「起こってしまう」ものですから和解は出来ないのでしょうか。そんなことはありません。当然、地球人類も和解は可能です。個人の諍いであっても喧嘩や争いに発展するケースもあれば、反面その諍いをきっかけに相手をより理解し友情が深まる場合もあります。第七段階進化くらいにもなるとすべてがこの「意見の違いが相互の結びつきを強固にする」という方向になって行きます。

 今、地球上も世界大戦から70年を経て、社会のあらゆるシステムが破綻しかけています。以前より未来創学アカデミーにおいて私が社会システム変革の必要性を説いているのは、再度世界を巻き込む戦争へと向かうオーラを感じているからです。そしてまだそれを阻止する可能性があるからです。 

 社会のシステムを変えてゆくにはいくつかの条件が必要です。

 まず第一に「目標設定」です。「絶対に戦争はしない」「絶対に共通点を見出す」等々の最終目標です。現在の地球においてはこの部分にブレがあります。表向き戦争はしないと言いながら、武器を売り経済を潤して自分たちの都合の良いように進めようとしていないでしょうか。生活環境の違いにより相手を見下していないでしょうか…。聖人君主になれと言っているわけではありません。結局、紛争は自分を不幸にし、人を見下せば自分が見下されるという因果応報が生まれます。争いは「しないのが一番!」という宇宙から学ぶ真理です。

 第二に「時間」。前記したように、「たった16時間」の話し合いで紛争が解決するならこんな楽なことはありません。相互理解には時間がかかるのです。時間をかけることを惜しまないことが真理です。

 そして第三は「常識を妄信しない」ということ。「各国首脳は忙しいのだから時間が無いのは当たり前」ではなく「どんなに時間をかけても紛争を避けるのが政治家」という考え方に変えること。「気に食わない相手を駆逐するのは当たり前」なのではなく「理解しあうのが当たり前」というのが真理。

 これらは「おっしゃることはごもっとも!」ということではなく、如何に真理に近づけて物を考えることが出来るかということでしょう。結局「社会を変える」ということは「自分を変える」ということなのかもしれません。

 最近、地球外からのチャネリングが増えています。これは「今なら間に合う!」という警告として受け止めた方が良いでしょう。地球だけの常識ではなく、広く宇宙の「常識」を知ると感覚が変わります。社会を変えるということはまさに新しい感覚を持って様々な問題を考えることにあるのだと教えられています。