☆「本質」が見える


◆今年のキーワードは「起点」=「始まりの年」であることを年頭にお話をさせていただきました。「始まり」という言葉は「良いこと」のスタートを連想しがちではありますが、そうとは限らないのが難しいところです。「始まり」は良いことの始まりになるかもしれませんし、今年が崩壊に向う第一歩の年になってしまうかもしれません。これからどちらに転んでゆくのでしょうか。
◆未来を予測する学問でもある未来創学にして「どっちかわからないの!?」という声が聞こえて来そうですが、これが一筋縄ではゆきません。何故なら未来はこれから創るものであり、その行く先、特に社会の行く先は、社会という集団を構成する人間が創り、決めてゆくものだからです。自然の法則の中で、人間の意識というものが非常に重要な役割を持っているということを知っていただきたいのです。
◆「運命は決まっている」そう思っている方も多いのですが、運命論ともいえる考え方は、大変難解なもので、それを理解するためにはある程度の時間が必要です。しかし、この世の中を「良い方向に向けてゆくために」少々運命論を知っていただく必要があります。出来るだけ簡単に解説するならば、未来の流れには「決まっているものと、決まっていないもの」があるというです。大きく言えば「自然界の流れは決まっている」、そして社会の流れは「決まっていない」ということになります。具体的に例を挙げるなら、人間は必ず肉体が滅びる、即ち「死ぬ」ということです。これは避けられない事実です。また地震等の災害も必ず起ってしまう。地球は一日に一回転し、太陽の周りを回るということなども変えられない事実です。反面、決まっていないことの典型は、「社会のルール」です。このルールによって、人は自分の自由を奪われることもあるし、豊かになることもあります。例えば、自分は自動車でスピードを出して走ることに楽しみを感じるが、速度違反をすると検挙されてしまう。自分で努力して沢山のお金を稼いだのだから、すべては自分のもので税金など払う必要はない、と思ってもこれは許されません。その代わり、日本では病気になって病院で治療を受けても、保険によって治療費が安くてすむなど良い点も多々あるでしょう。これが社会のルールです。人が決めることでありながら、人の楽しみや人生を変えさえもします。自由主義世界から共産主義社会に変わってしまったらどうなるでしょう。価値観も人生も大きく変わることでしょう。逆もあります。
◆自然災害や自然現象は、100%予測ができます。例えば噴火。地下にあるマグマは一定の圧力を持って動いています。そして地表のある弱い部分から地上に噴出するわけですが、詳細に観測と計算をすればどこがどれだけ弱く、どんな対流をしているので、いついつには噴出する、とわかるわけです。天気予報などはだいぶ正確にわかるようになってきました。地震も同じ。地表がどのくらいの力で動いていて、プレート同士の弱い部分はどこで、そこの岩石などの強度がこれくらいだからいついつ地震がくる、と断言できるのです。何故、現在それが出来ないかというと、そこまで科学が発達していないだけのことです。逆に、人間の思考というものは予測が出来ません。予定していた行動を突然変更したり、理性では当然やらない行動を感情でやったりもします。では人間と自然現象の違いはないか。それは「単に宇宙的な法則にしたがって活動する」ものと、「生命という自由度を持った存在」の違いです。すなわち宇宙の真理の中には、「意識を持つ存在」と「持たない存在」があるということです。大きな括りの中では、人間も宇宙の法則の中に存在しているので、変えられない部分もありますが、自然現象のように、物理の法則などだけに従って、思考(意識)なく活動するものとの大きな違いがここにあります。
◆運命論は難解ですので、さらに詳しいことはまた別の機会に譲るとして、人間の思考に自由度があることは理解いただけると思います。では今年の「起点」はどちらに転ぶのか。私は「良い方向への第一歩」と予測しています。その理由は、生命は生存を続ける本能があるということ。自然現象にはこの本能はありませんから、簡単に崩壊がありえるし、人間の生死や感情に関係なく災害は起きるのです。生命が存在の危機を感じると何が起るかと言うと、まず第一に「勘」が冴えてきます。そして「物事の本質」を見極める能力が高まります。今がまさにそのような能力が目覚め始める時期となっているのです。
人間は意識、考える能力がありますので反面、自分に有利なこと、楽になるようなことを求めがちです。しかし、また人間は集団的生物でもあります。単独で生きにくい植物が生存のために群生するのと同じ原理です。そうすると「考え」の基本も人間集団(組織ではありません)が存在するための利益に反するもの、自分勝手なものは排除されてしまう傾向が強く出てきます。簡単にいうと「本物以外は見破られてしまう」そして「本物が見破れない人」は良い方向に迎えないということになります。
◆今は「本物とは何か」を考え、「本物を発信」する時となりました。例えば相手を駆逐し、奪うことで利益を生むことが「本物」の外交でしょうか。経済でしょうか。地球を壊してまで利便を追求することが「本物」の科学でしょうか・・・。皆様も一人ひとりがこの「本物とは何か」を考える時期に来ていますし、それを見分ける「勘」を身に付けているのです。宇宙の中で自由に決められること、変えられることである「社会のルール」、「人生の生き方」を考えるスタート時期が、今年の「起点」の意味するところであるということを宇宙は教えています。
◆「本物とは何か」の答えは、実は非常に単純なところにあることがわかるでしょう。社会を、「あなた」が変える時代になりました。