☆明日は、夢は、自分が創る!


今、世界がそして日本がおかれている現状は非常に混乱を極めております。アジアの周りだけを見回しても大変きな臭い状況ですし、世界に目を向けても決して誰もが安心して暮らせる状況ではありません。

私たちの日本も例外ではなく、経済的、生活的格差は二極分化し、セイフティー・ネットの整備どころか、ますますその差は広がっています。永く「もの作り日本」といわれ、未だにそう考える人たちも多いようですが、その「もの作り」の分野においても世界から確実においてゆかれています。現在はまだ見えにくいかも知れませんが、数年で追い越されることは間違いありません。それは既に「負けている」からです。政治レベルに至っては確実に劣っています。新興国のパワーもなければ、先進国の熟成した手腕も感じられません。いつから日本はこんなに後手に回ってしまったのか。それは戦後の高度成長が終わった頃からでしょう。まだまだ日本の「もの作り」は世界一だ、と考える人たちもいると思います。世界中の電子機器の中には、確かに日本製部品が多く使われています。ですから、先端製品は日本の技術がなくては成り立たないと考えるのも当然かもしれません。今、携帯電話を牽引している「スマート・フォン」の部品にも、その半分以上、日本部品が使われています。でもそんな部品は、ある特定のもの以外は遠くない未来に新興国に取って代わられることは明白です。ほんの少し前の半導体がそうでした。

経済にしても、政治にしても文化にしても、何故こんなに立ち遅れてしまうのでしょうか。そこにはある一つの共通点があります。ここ最近でも、世界をリードする製品はいくつも出現しています。もっとも大きな変革になった製品といえばコンピューターでしょう。これはまさに世界の状況を一変させた商品といえます。現在では、このシステムなしに世界は成り立たなくなっています。それ以降、文化さえ変化しました。「音楽を外へ持ち出す」というコンセプトで開発され、世界的に大ヒットしたのは、日本の「ウォークマン」でした。しかし、新しい発想のアイポッドの登場で、その影は薄くなります。スマート・フォンの火付け役はアイ・フォン。電子書籍ブームが到来しそうな雰囲気の中で新しい発想で登場したのがアイ・パッド。すべてアップルという会社の製品です。システム、使い勝手、デザイン等々すべてが斬新です。

自動車産業が日本の経済を長い間牽引してきました。しかしながら、「車」というジャンルでいえば、とてもドイツのベンツにはトタール・イメージにおいて足元にも及びません。ドイツはベンツの他にも、フォルクス・ワーゲン、ポルシェ、BMW、そしてこんな時代においてもブランド・イメージを格段に上げ、存在感を増しているのがアウディーというメーカーです。

金融経済も日本の発想ではありません。今、世界を席巻している製品は、日本から発信されたものはほとんどありません。日本に欠けているのは、この製品発信力なのです。それでは何故、発信力が欠けているかというと、その基本にあるものが、「アイデンティティー」の欠如です。実に日本語として訳しにくい言葉であり、概念ですが、おおまかに言えば「同一性」とか「自分の存在意義」等と考えられるでしょう。すなわち、私は「こういう者である!」という意識です。この「らしさ」のなさが今の日本の弱さであるといえるのです。

ちょっとややこしい話になってしまったので、話を簡単にしましょう。今の日本の弱みは「目標を失っている」ということです。政治の弱さも、「日本をどのような国にするのか」というイメージの欠如でありますし、自動車の魅力のなさも「こんな車だったら楽しいのに」という余裕もアイデアもなく、機械として優秀であり、エコならば「売れる」という考え方。家電製品も性能と付加価値は世界一でもデザインが残念!というものが多い。日本にもすぐれたデザイナーや芸術家は沢山いらっしゃいますが、そのほとんどが国内ではなく海外で認められ、活動をしているのが現状です。冷静に見ると、日本は今でも世界的に大変豊かな国であり、豊かさを極めた国でもあります。ですから戦後と違い、目標にするものがないのは当然。逆に世界に対してあらゆる分野で見本を示してゆく立場になったのです。問題は、未だに多くの人たちがその変革に気づかず、先進国の後追いをしてきた時代の利権や地位の温存にやっきになっているという点なのです。これからは新しい視点を持って製品を作り、政治を行わなくてはいけないでしょう。

考えていただきたいことは、「自分は何が幸せか、何がしたいのか?」という問いかけです。これが個人の「アイデンティティー」の始まりとなるでしょう。夢は他人が与えてくれるものではありません。自分の夢は自分で創り、自分で実現してゆくものです。

2011年のキーワードは「取捨選択」です。選別し、判断すること。そのためには選別するための「基準」が必要です。自分がしたいこと、自分が楽しいこと、自分が幸せに感じることは何か。これを考えることによって自ずと道は見えてくるのです。日本人は本来、感性豊かな民族です。その感性と目標意識が揃ったとき、日本はまた元気になることでしょう。今は社会が大きく変わるときです。自分の未来と夢は自分で創らなくては、「人生、面白くありません!」